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シーゲイトによる見解 NAND型フラッシュ供給市場

シーゲイトでは、300億ドル相当のHDDビジネスをSSDに入れ替えるには、7,500億ドル以上の投資が必要となると考えています。

拡大し続けるストレージ容量

ストレージ容量は、1エクサバイト (EB) は100万テラバイト (TB)、または10億ギガバイト (GB) に相当します。2011年、ハードディスク・ドライブ・メーカーは、100EB近くの容量をノートPC市場に向けて出荷しました。1 これは、膨大なストレージ容量です。2011年のノートPCハードディスク・ドライブの平均容量は412GBと予測されており、2012年には447GBにまで増えることが予測されていました。1 ノートPCユーザは今、まぎれもなく容量拡大を求めています。

NAND型フラッシュ・メモリは、ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) のストレージ・コンポーネントです。ストレージ市場の一部では、今後数年間で、多くのノートPCにハードディスク・ドライブの代わりに、ソリッド・ステート・ドライブが使用されるようになると考えられています。しかし、SSDとハイブリッドがハードディスク・ドライブを補っており、世界全体のTAMは拡大し、ストレージへの需要が高まっているのが現状です。

2011年、NAND型フラッシュ・メモリ市場全体で21EBのデータ・ストレージが製造されましたが、その内SSDに用いられたのはわずか12%でした。2 最終的に製造されたSSDは2,300万台で、2011年に出荷されたノートPCハードディスク・ドライブ・ユニットのわずか9%未満でした。NAND型フラッシュ・メモリの製造量は、2012年には36EBにまで拡大すると予想されています。これは、2011年にHDDによって製造されたデータ・ストレージ容量の約6.5%にしか過ぎません。その内SSDで使用されたフラッシュはわずか2.5EBで、これはわずか0.5%にしか相当しません。残りのフラッシュは、スマートフォン、メモリ・カード、その他の家庭用電子機器において消費されています。

エンタープライズ市場、クライアント市場、消費者市場で求められるNANDの耐久性やデータ保持要件は、それぞれ大きく異なります。GBあたりのコストを下げるためにNANDのセルサイズがどんどん小さくなっているため、書込み耐久性とデータ保持が犠牲となっているのが現状です。2012年には大部分の量産工場が移行することが予測される21nmプロセス・ノードの密度では、MLC NAND書込み 耐久性は約3,000サイクルに低下しています。このタイプのメディアをコンピュート・アプリケーションで使用するには、非常に高機能なコントローラが必要となります。すべてのSSD設計者が21nm MLCフラッシュを使用することができる設計を実現できるという最良のシナリオを仮定した場合、1つの大型量産工場で、100億ドル以上のコスト3 をかければ、年間7.5EBを製造することが可能だということになります。このような量産工場がフル稼働状態になるまでには、2 - 3年かかります。しかも、100億ドルという額は、工場の経費のみを表した数字です。これには、NANDのコスト、運営費用、工場の減価償却費、その他重要な経費は含まれていません。

NAND型フラッシュのメーカーは、ビジネス・ストレージの需要に追いつくことができるのか?

NANDの追加生産量がすべてSSD向けに使用されると仮定しても、100億ドルの投資で生産できるフラッシュ・メモリの生産量は、2012年に予想されているノートPCストレージ市場の135エクサバイトのわずか5.5%にしか相当しません。言い換えれば、100億ドルもの費用をかけても、手に入るのは、ノートPCストレージのマーケット・シェアのわずか5.5%、すなわち10億ドル未満の利益であり、これは現実的ではありません。既知の事柄から推定すると、2012年に予想されているノートPCストレージ市場全体に対応するためには、NAND型フラッシュ・メモリの量産工場に1,800億ドルの設備投資が必要だったということになります。さらにHDD市場全体を完全に入れ替えるためには、約7,500億ドルもの投資が必要だったということになります。

世界全体の設備容量は、2011年の21EBから、2013年にはなんと71%増(2)の36エクサバイトになると予想されています。しかし、その内SSDに使用されると予想されているのは、わずか16%、約6EBに過ぎません。たとえ70%もの拡大が見られるとしても、NANDの大部分は消費者デバイスに流れるため、SSD向けNAND型フラッシュ・メモリの生産量とノートPC、デスクトップ、エンタープライズ・ストレージの需要の間の溝は今後も深まる一方です。

量産工場において、どれほどの量の生産量がSSD向けNAND型フラッシュに流れたとしても、ノートPC、デスクトップ、エンタープライズ向けSSD市場の規模があまり大きくない点を考えると、十分な利益を上げることは難しいと言えます。一方、生産容量の拡大は、スマートフォン、タブレット、その他の消費者製品市場にとっては有利に働くことになります。その主な理由は、消費者製品レベルのNANDは、性能や信頼性の仕様に対する要求度が、エンタープライズ、ノートPC、デスクトップ デバイスと比べて大幅に低くなるため、NANDメーカーは大量生産と低価格を維持することができるからです。

結論:ソリッド・ステート・ドライブのメーカーにとって、ストレージの拡大し続ける需要に追いつくことは非常に困難であるため、ハードディスク・ドライブがノートPC、デスクトップ、エンタープライズの各市場の大部分を占めるという状況は、今後も長年に渡って変わることがないと考えられます。

NAND型フラッシュの世界需要の大部分は、MP3プレーヤ、携帯電話、カメラなどの消費者製品向けであるものの、シーゲイトでは、エンタープライズやハイブリッド・ソリッド・ステート・ストレージなど、サポートの機会を多く見出しています。

脚注

1 Model of the World、シーゲイト・テクノロジー、2011年12月。
2 Forecast: NAND Flash Supply and Demand, Worldwide, 1Q10–4Q12, 4Q11 Update、Gartner、2011年12月8日。
3 金額はすべて米ドルです

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