Perspective

07 7月, 2023

事業成果の向上へと導くデータの活用

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データはいかにして顧客満足度の向上と利益の拡大をもたらすか

今やすべての企業がデータビジネスです。Seagateが最近公表した「データを再考する」レポートによると、企業が生成するデータの量は、今後2年間のうちに年平均42.2%のペースで増加するとされています。

これにより、企業が管理するデータ量も格段に増大します。さらに、データの散在によって、情報は今やエンドポイントからエッジ、クラウドに至るまで、事業活動の隅々に広がりを見せています。

大量のデータを使用して収集している企業は、もはや自社で対応しきれないほどのデータを複数の場所に抱えています。製造用機械や製品に内蔵されているセンサーから膨大な量のデータを収集し、分析して、エッジとコア・ネットワークとの間でやり取りをしなければなりません。事実、毎年新たに生成されるデータの量は、2015年から2025年にかけて年平均成長率にして約26%のペースで増加すると予測されており、新たに生成されるデータ量は2025年までに175.8ゼタバイトに達する見通しです。1ゼタバイトは10の21乗 (1021) ですので、これは膨大な量です。

データを収益に変える

ITリーダーはすべてのデータを管理することに正しく焦点を当てている一方で、企業はまた、こうした大量の情報がどのようなビジネスチャンスをもたらすのかを理解する必要もあります。自社のデータを活用するための方法を新たに見出すことができれば、このような洞察から多くの利益や収益を生み出すことができます。

データを再考する」レポートでは、企業は現在、自社が持つデータのわずか32%しか活用していないことが明らかになっています。ほとんどのデータが十分に活用されていない状態で、企業は事業成果をより一層高めるため、新しい情報源を見出すことにとどまらず、すでに収集しているデータを有効に活用する能力を高めていく必要があります。

マッキンゼーによる最近のレポートでも、Seagateの「データを再考する」レポートの結論を裏付ける内容が紹介されており、データの活用はCIOのみならず、CEOにとっても最大の関心事であることが指摘されています。CEOにとって最大の優先課題は何であるかをたずねたところ、CIOの88%は収益の増大を挙げていた一方で、71%はアジリティの向上と市場参入のスピードアップであると回答していました。マッキンゼーのレポートでは、「IT戦略はこれまで長きにわたってビジネス戦略の一部に位置付けられてきたが、経営幹部はデジタル技術にもっと大きな影響力を期待するようになっている」と指摘しています。「デジタル・イノベーションはビジネス・トランスフォーメーションのあらゆる取り組みの中核を成す要素であり、もはや数あるカテゴリのひとつという位置付けではなくなった。」

目に見える形での事業成果の向上

企業がデータを再考することで達成できる事業成果には、収益の増加、利益率の拡大、顧客満足度の向上、ロイヤルティの強化などがあります。その一方で、データ管理とデータ分析が改善されることで、幅広い成功の評価尺度を手にすることができます。

例えば、データアクセスと使用が改善されると従業員の生産性が高まり、それによって従業員の定着率が向上すると共に、コスト削減にもつながります。また、新製品や新サービスの市場投入もスピードアップし、消費者のニーズにスムーズに応えられるようになるだけでなく、取得戦略を最適化することもできます。

企業は、消費者とデータ作成者をつなぐDataOps手法を導入することで、組織が目に見える形で事業成果を高められるよう後押しする必要があります。組織におけるデータ管理とデータ分析の改善が進めば、そのデータをすばやく活用して競争力を獲得することができるようになります。

DataOpsはデータ管理戦略を実現するためのカギであり、企業はその戦略をもとに自社のデータをもっと有効に活用して、顧客満足度の向上と利益の拡大につなげることができます。データを自在に転送したり、相互に関連付けたりすることのできる柔軟性が高まれば、組織はより多くの洞察を引き出せるはずです。

私たちが投げかけるべき疑問

DataOpsを導入するにあたっては、データ分析に対応したデータ・オーケストレーションや適正に機能するデータ・アーキテクチャといったテクノロジーが必要です。その一方で、利益の拡大につながるようなアプローチの成功は、私たち一人ひとりの力にもかかっています。データ・ガバナンスとプロセスに関するチームの意思決定は、データアクセスとデータ活用にかかわる企業の能力に極めて大きな影響を及ぼします。

まずは、組織の目標に関する疑問を投げかけるところから始めてみましょう。こうすることで、その達成に向けてデータが果たしてきちんと構造化されているのか、また、現在どのように構造化されているのかを私たち一人ひとりが理解することができます。顧客満足度の向上と利益の拡大という目標を達成するため、組織が明確にしておくべき点は以下の通りです。

  • 誰がどのデータにアクセスできるか?
  • データはどう分類されているか?
  • どのデータがどこに保管されているか?
  • 分析後のデータをどうするか?
  • データをビジネスユーザーやIoTのエンドポイントにどのように提供するか?
  • データを相互にどう関連付けるか?

組織はこうした疑問を解消しようとする中で、自分たちが「何が分からないのかが分からない」状態であることに気づくかもしれません。そんなときは、会社の意思決定者やITリーダー、データ管理者が一丸となって、自社のデータからどのようなインテリジェンスを引き出すべきであるかを検討する必要があります。こうした連携により、チームは無関係な情報に翻弄されることなく、必要なデータを効率的かつ効果的に収集し、抽出することができるようになります。大切なのは、すべてのユーザーにすべてのデータへの完全なアクセスを提供することではなく、適切な人材に適切なタイミングで適切なデータを提供することで、スマートな意思決定を後押しすることです。

収集したデータを分析して追跡することで、最適なソリューションを構築できます。DataOps手法を効果的に導入できれば、質の高い製品を市場にすばやく投入して、顧客満足度を高めることができます。そしてこれが、収益の増大、顧客維持の向上、利益の拡大につながるのです。

企業がデータを活用して事業成果を高めるための方法について詳しくは、「データを再考する」レポートの全文をダウンロードしてご確認ください。