ケーススタディ

フランスのメディア企業がデータ・ストレージにSeagateを採用

Centreville Télévisionは、AVの規格がHDから4K以上に移行するにつれて、自社のAVファイルが急速に増大していくと予測しています。同社は耐障害性に優れたデータ・ストレージと、リモート・データ・センターへのダーク・ファイバー接続による信頼性の高い高速アクセスを必要としていました。フランスに拠点を置き、放送とメディア・プロダクションを担う同社は、Seagate Exos CORVAULTを導入することで、現在および将来のニーズに対応できる信頼性の高いデータ・ストレージ・ソリューションを手に入れました。

分(読取り)

概要

1982年に設立されフランスのパリに本社を置くCentreville Télévision (https://www.centrevilletv.com) は、ポストプロダクションの分野でよく知られた企業です。40年を超える経験を持つCentreville Télévisionは、AVおよび企業ビジネスの世界でプロダクションとポストプロダクションを担う信頼できる実務パートナーです。同社は、Groupe Transatlantic Holding (https://www.groupetransatlantic.com) の傘下にあり、編集室を60室、カラーグレーディング室を9室、録音スタジオを9室、プロダクション・セットを3セット(グリーン・バックグラウンド、ウェビナー、バーチャルがありAximmetryとUnreal Engineの技術を使用)備えています。

お客様のストーリー

Centreville Télévisionは、France Télévisions、TF1 (Télévision Française 1)、フランスの有名ファッション・ブランドといったさまざまな組織と提携しています。同社のプロジェクトは、ドキュメンタリーの制作、テレビの生放送、オペラの撮影など多岐にわたっています。同社はまた、Groupe Transatlantic Holdingの子会社の1つである、Video Digital Multimedia (VDM) とも提携しています。VDMは、技術やデジタル・メディアに関する広範なソリューションを世界各地に提供するAV専門ラボです。VDMは、放送局、ストリーミング・プラットフォーム、他のポストプロダクション企業などの多様なメディア企業やNetflixと提携し、EMEA地域で選ばれる実務パートナーとして活躍しています。VDMはまた、その長年のノウハウを織り込んだメディア資産管理 (MAM) ツールを開発し、mediaspot® (https://mediaspot.io) という名称でサービスとしてのソフトウェア (SaaS) として提供しています。

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お客様の目標

Centreville Télévisionは、企業の社会的責任、セキュリティ、高い技術標準など、いくつかの経営方針に基づいて活動しています。環境/社会/ガバナンス (ESG) 戦略の一環として、同社は電力消費量の削減に注力しています。セキュリティに関しては、データ・ストレージ・オプションの分散化を目指しています。加えて、自社の技術標準、とりわけデータ・ストレージ容量、パフォーマンス、可用性に関して高い基準を設定しています。

ポストプロダクションのプロジェクトでは、至急の仕事が多く、その中で大容量の映像や画像を扱う必要があります。以前は高密度 (HD) だったものが、今では4Kになり、ある種の特殊効果では8Kになることさえあります。Centreville Télévisionの顧客であるFrance Télévisionsは、新しいAV規格になろうとしているUltra HD (UHD) または4Kを、2024年のパリ・オリンピックで使用する予定です。同社によれば、HDから4Kへの移行によって、AVファイルのサイズが4倍から6倍に増大することになります(コーデックに依存)。

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お客様の課題

Centreville Télévisionは、今後数年間で、短期から長期にわたるさまざまな課題を解決しようとしています。同社の顧客からは、品質レベルの高い標準を実現することを期待されています。これには、同様にレベルの高いセキュリティとデータ保全性の標準も含まれます。このような点を念頭に、同社は、セキュリティ、高速性、信頼性を兼ね備えながらインストールと管理が比較的容易なデータ・ストレージ・ソリューションを求めていました。同時に、2年後に予定されている新しい放送規格に備える必要もありました。この新規格によって、顧客と自社の両方で、データ・ストレージのニーズが大幅に拡大する可能性があります。 

 Centreville Télévisionは、自社のデータ・ストレージ・ソリューションが耐障害性に優れ、データへの即時アクセスが可能であることを潜在顧客にアピールすることで、将来の契約を獲得することを狙っていました。この構想の一環として、同社は本社でデータ・ストレージへの高速アクセスを実現すること、さらには、パリ市内の別の場所にあるデータ・センターにバックアップを置いて、これにダーク・ファイバーで接続することを目指しました(ダーク・ファイバー・リンクの粗波長分割多重 (CWDM) マルチプレクサで利用可能な波長を使用)。

オンライン・ストレージが1 PBを超えるまでになったため、同社はデータ・ストレージ戦略を再考する必要に迫られました。最初のころは、NASデバイスを複数追加するだけで十分でした。しかし、同社はデータ損失の潜在リスクを軽減するソリューションを求めていたうえ、NASデバイスを追加するだけでは非効率になり始めていました。ソリューションの統合を進めれば、パフォーマンス、セキュリティ、信頼性の向上を単一のデバイスで実現できます。そうすれば、成長余力が生まれ、応札を拡大してより多くのプロジェクトを獲得することができます。このようなソリューションがあれば、Centreville Télévisionは2年以内に4K規格への準備が整うだけでなく、将来の需要拡大を見込むことも可能になります。 

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お客様のソリューション

Centreville Télévisionは最終的に、自己修復機能を備えた高密度データ・ストレージであるSeagate Exos® CORVAULT™の採用を決定しました。同社の技術パートナーであるLAFI (https://www1.lafi.fr) が、Seagateのセールス・リーダーとともにこのプロジェクトを統括しました。LAFIはこのリーダーを「フットワークが非常に良く、大いに助けられた」と評価しています。Centreville Télévisionも、以前からSeagateの内蔵ハードディスク・ドライブを使用していたため、Seagateに精通していました。 

Autonomic Distributed Allocation Protection Technology (ADAPT) とAutonomous Drive Regeneration (ADR) を備えたマネージド・ブロック・ストレージ・アレイであるExos CORVAULTは、特にセキュリティや使いやすさといった、ポストプロダクションの専門家の要件に即座に応えられるものでした。SeagateのADAPT次世代イレイジャー・エンコーディング・ソリューションは、従来のRAID (Redundant Array of Independent Disks) タイプの代わりに、多数の大容量自己暗号化ハードディスク・ドライブにパリティを分散させる保護スキームを採用したものです。ADRは自己修正システムであり、その場でドライブが更新されるため、手動での交換は不要です。エラーが発生したコンポーネントをバイパスするようドライブが再構成されるため、ほとんどのドライブを信頼性の高いサービスに復帰させることができます。ADRドライブは廃棄されることなく更新されるため、この技術によってコンピュータの電子廃棄物による環境への影響を軽減できます。Centreville Télévisionはまた、Exos CORVAULTの効率的なドライブ密度、低消費電力、モジュール性、アクティブ・アクティブの冗長コントローラを高く評価しています。データ保護を強化しつつテラバイトあたりの総コストを最小限に抑えられるからです。 

同社の新しいCORVAULTは現在、同社が選定したパリのリモート・データ・センターで稼働しており、ダーク・ファイバーで本社と接続されています。データ・センターに設置したことで、電力サージや停電の懸念が軽減されただけでなく、水の状態(循環と品質)のモニタリングが可能になりました。Centreville Télévisionは映像を扱うため、遅延の問題を発生させないことを目標としています。ダーク・ファイバー接続を使用しているため、データ・センターと本社との間のデータ転送にサービス、速度、帯域幅に関する技術的な制限は事実上ありません。Seagate CORVAULTがあれば、同じビルにある従業員データと同様に扱えます。子会社であるVDMもダーク・ファイバーに接続されています。そのため、1つの接続に問題が発生した場合でも、代替の接続を使用できます。つまり、リモート・データ・センターへのバックアップ接続が用意されています。 

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お客様の成功

Centreville Télévisionは、Exos CORVAULTを選択したことでさまざまなメリットを享受しています。一例として、サーバー・ベイのスペースの有効活用が挙げられます。84台の大容量ハードディスク・ドライブを搭載した1.5 PBのCORVAULT (5U) 1台とサーバー・ゲートウェイ2台(各2U)で、29U分のスペースと電力を必要としていた既存のサーバー16台を置き換えることができました。同社は、以前の機器が消費していた電力の3分の1以上を節約できました。また、監視と更新が必要な個別の機器が16台から3台に減り、その結果メンテナンス時間の削減されたことを高く評価しています。Centreville Télévisionは、データのサイズとセキュリティに関して安心感が得られただけでなく、CORVAULTが競合製品よりもテラバイトあたりの価格が優れていることにも気づきました。

リモート・データ・センターに設置されたデータ・バックアップ・ソリューションとしてExos CORVAULTを導入したため、Centreville Télévisionは、高度なデータ・セキュリティが要件となっている入札に自信を持って臨むことができます。次のステップとしては、アーカイブとバックアップを自動化して時間を節約すること、フラッシュ・ストレージを追加してプロダクション向けソリューションに対しメディアの取り込みと外部へのデータ転送に関連した拡張を実施することなどが挙げられます。同社はまた、個別の企業レベルで使用するCORVAULTの追加も検討しています。その時が来たら、Centreville TélévisionはSeagateに連絡する予定です。「Seagateならストレージのニーズの問題を解決するソリューションを提供できる」からです。

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Seagate Exos CORVAULTは、高密度、非常に高度なセキュリティ、低消費電力など、当社が求めているものすべてを実現します。これを当社のデータ・センターの基盤としたことで、そのすべての機能を最大限に活用できるようになりました。

ボリス・バーソン (Boris Berson) 氏

Centreville Télévision副ディレクター

関連リソース

システム
Exos CORVAULT
Seagate Exos® CORVAULTは、数ペタバイトの容量、99.999%の可用性、ハイパースケールでの効率性、画期的な自己修復機能、持続可能なテクノロジーを備えた高性能ブロック・ストレージ・システムです。

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  1. © 2023 Seagate Technology LLC.無断での引用、転載を禁じます。Seagate、Seagate Technology、およびSpiralのロゴは、アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるSeagate Technology LLCの登録商標です。ExosおよびCORVAULTは、アメリカ合衆国および/またはその他の国々におけるSeagate Technology LLCまたはそのいずれかの関連会社の商標または登録商標です。その他の商標または登録商標は各社の所有物です。ドライブの容量を示す場合、1ギガバイト (GB) は10億バイトに、1テラバイト (TB) は1兆バイトに相当します。コンピュータのオペレーティング・システムによっては異なる測定基準が使用されている場合があり、容量が低く表示されることがあります。また、容量の一部はフォーマットやその他の機能に使用されるため、データの保存用には使用できません。製品内容または仕様は、予告なく変更される場合があります。予めご了承ください。SC84.1-2407JP