17 6月, 2026
大規模な制作では技術とチームの限界が試されます。しかし、観客の目に映るのは磨き上げられた完成品だけであり、その背後にある複雑なワークフローやパートナーシップは見過ごされがちです。
先日公開された数夜にわたるコンサート映画(そう、あのコンサート映画です)の例で言えば、劇場で上映されたのは、スーパースター級の品質を誇る大作でした。しかし、Blink、Adobe®、QNAP、Seagateが手にしたのは、ある大きな課題を解決するチャンスでした。その課題とは、100台以上のカメラから得られたさまざまな形式や解像度の映像を統合し、単一の連続した視聴体験としてまとめ上げる方法を見出すことです。
これからその詳細を説明します。準備はよろしいでしょうか?
プロキシ・ワークフロー:すべての基盤
映像素材には、さまざまな形式と解像度のものがありました。ドローンやカメラなどから4Kまたは8Kで撮影されたものが混在していたからです。メディアの量が膨大で、その種類も多岐にわたるため、フル解像度での編集は現実的ではありませんでした。そこで、パイプライン全体のバックボーンとして浮上したのがプロキシ・ワークフローです。
各クリップの低解像度版を生成することで、編集者は、リソースを過度に消費することなく、効率的に作業できるようになりました。従来のツールでは、一部の形式(特にドローン映像)の処理が困難であったため、最適化されたプロキシ・ワークフローが導入されました。複数の150TB RAIDを並列で稼働させたことで、プロキシの生成が高速化され、編集作業に迅速に着手できるようになりました。
プロキシがなければこのプロジェクトはそもそも実現できなかったでしょう。
集中型ストレージ:パフォーマンスを重視した設計
プロキシは、生成された後、Seagate IronWolf® Proドライブを搭載した集中型のQNAP NAS環境に転送されました。この構成では、400TBを超える容量と、複数の編集者が同時に作業を行うために必要な帯域幅が用意されていました。
この構成の狙いは容量のみではありません。回復力とパフォーマンスの確保も目的としていました。
RAID 60を採用することで、ドライブの故障に対する保護が実現し、高密度の24ベイ・システムを採用することで、数十本のビデオ・ストリームを同時にスムーズに再生することが可能になりました。SeagateのIronWolf Proドライブを採用することで、持続的な負荷の下でも、ワークフローを円滑に進めるために必要な信頼性と速度が確保されました。
Adobe Premiere Pro:大規模なコラボレーション
編集作業をAdobe Premiere Proで行うようにすることで、データの取り込みが簡単になり、複雑な編成作業に集中できるようになりました。チームは、約100のカメラ・アングルから撮影された大規模なマルチカメラ・シーケンスを制作し、それを扱いやすいセグメントに分割しました。
Adobe Productionsはこのプロセスに不可欠なものです。これを使用することで、6人の編集者と多数のアシスタントが、ファイルの競合やパフォーマンスの低下を招くことなく同時に作業することができました。プロジェクトを分割してメディアへの共有アクセスを維持することで、単一の巨大なプロジェクト・ファイルを扱う際の弊害が回避されました。
編集作業が進むにつれて、Adobe After Effectsを使用したバーチャル・エフェクト (VFX) の組み込みが行われていきました。チームは、大規模なダイナミック・リンクに頼る代わりに、より管理されたワークフローを採用しました。このワークフローでは、高品質ファイルがVFXベンダー向けにエクスポートされ、アルファ・チャンネルに影響を与えることなくそれらがPremiereに再統合されます。
最終的なカラーとマスタリングの段階になると、Premiereのプロキシ・アーキテクチャが再びその真価を発揮しました。フル解像度のメディアが即座に再リンクされたため、チームは待つことなく仕上げ作業に移ることができました。
将来に向けた計画
納品後は、長期保存に焦点が移っています。プロキシ・データは破棄されましたが、プロジェクト・ファイルと最終成果物はSeagate Exos®ドライブに保存されています。現実世界での実用性を重視して設計されたこれらのソリューションは、従来のアーカイブ手法から一層効率的な最新のデータ管理への移行を反映したものです。
コラボレーションがかなえる成功
このプロジェクトを見ると、単一のツールやチームだけではこれらの課題を解決できなかったという単純な事実が浮き彫りになっています。チームは、Adobeのコラボレーションに対応した編集環境、QNAPの拡張性の高いストレージ・プラットフォーム、Seagateの大容量ドライブ、Blinkの制作ノウハウを組み合わせることで、極めて複雑な作業に対応できるワークフローを構築しました。
コンテンツ・クリエイター、ポストプロダクション・チーム、テクノロジー・パートナーのいずれにとっても、今回の教訓は明らかです。適切な戦略とコラボレーションがあれば、どんなに困難な制作であっても、効率的かつ大規模に遂行することができます。
詳細については、ホストのポール・ラングストン (Paul Langston) が、Adobeのデビッド・ヘルムリー (David Helmly) 氏とアンディ・エドワーズ (Andy Edwards) 氏をゲストに迎えたポッドキャスト『The Data Movement』をご覧ください。
製品マーケティング担当シニア・マネージャー、Seagateストレージ・ソリューション
3層構成のストレージ・アプローチを採用することで、ゲーム、NAS、クリエイティブなワークフロー、動画システムなどにわたって、データを管理および保護できるようになります。
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